静岡知事辞任でリニアの2027年開業へ前進か!「第2の新横浜」など誕生へ期待高まる!

静岡知事辞任でリニアの2027年開業へ前進か!「第2の新横浜」など誕生へ期待高まる!
2009年以降、15年間にわたり静岡県で知事をつとめてきた川勝平太氏が辞任した。期待されるのは、ストップしていたリニア中央新幹線の工事が再び動き出すのではないかということだ。
川勝氏は環境への悪影響を理由に県内のリニア工事に反対してきた経緯があり、辞任によって工事の「障害」がなくなるのではないかというわけだ。
新駅の開設予定地周辺には人の流れが集まる可能性があり、不動産投資家も経営戦略にいかすべくアンテナをはりめぐらせたい。
当初の計画では、リニアは27年の東京(品川)~名古屋間の開業を目指していた。設置される新駅は次の6駅だ。
①「東京都ターミナル駅(品川駅地下)」
②「神奈川県駅(相模原市橋本駅付近)」
③「山梨県駅(甲府市大津町付近)」
④「長野県駅(飯田市上郷飯沼付近)
⑤「岐阜県駅(中津川市千旦林付近)」
⑥「名古屋市ターミナル駅(名古屋駅地下)」
これらの新駅が開設されれば、周辺地域では再開発が進むことになり、大きな経済効果が期待できる。それぞれの地元の早期開業に対する期待は高かった。
しかし、リニアの建設を進めてきたJR東海は今年4月、リニアの27年の開業を断念すると発表した。その理由は、静岡県の川勝知事が静岡工区での工事に反対し、全体の建設工事が予定通りに進まなくなったからだ。
川勝氏は、リニアの静岡県内での着工に強硬に反対してきた。具体的には、山梨県~長野県の南アルプストンネル(全長25キロ)の一部である静岡工区(8.9キロ)への着工だ。
この工事によって大井川の流量が減ったり生態系に影響が出たりするなど環境面の懸念があると指摘し、着工を認めてこなかった。山梨県と長野県ではすでに工事が始まっているが、静岡県では不可能であるため、リニアの開業事態が危ぶまれる事態になっていた。
だが、太平洋沿いを走る東海道新幹線が南海トラフ地震による津波被害などで使えなくなれば、東西を結ぶ日本の主要なルートが壊滅し、日本経済が大打撃を受ける。代替の交通網としてもリニアの開業は重要だ。
こうした考えから国も仲介に乗り出し、国土交通省の有識者会議は21年、JR東海の対策でトンネル工事による河川の流量への影響は抑えられとする報告書を策定した.
しかし、それでも川勝氏は着工反対を貫き、3月29日、ついにJR東海は、それまで掲げてた「27年の開業」をあきらめることを表明した。
そもそも、JR東海が最大限の対策を講じてきたのに、なぜここまで川勝氏が強硬に反対してきたのか、関係者はみないちように首をひねってきた。
経済学者の川勝氏はもともと早大の教授などをつとめてきた。関係者によると、女子学生からの人気が高く、授業では席の前列を女子学生らが占めるほどだったという。
静岡文化芸術大の学長をへて静岡県知事になったわけだが、リニアの工事に強硬に反対し続けた根底には、リニアが静岡県内のどこにも止まらず、素通りするだけだったことへの不満と反発があったとみる向きもある。
振り返ると、前任の石川嘉延知事も東海道新幹線の「のぞみ」が静岡県内に止まらならいことが不満で、JR東海との不仲が指摘されたことがある。
いずれにしろ、リニアをめぐる情勢を変える可能性があるのは、川勝氏の退任だ。退任は5月9日付。4期目の任期を1年以上残して辞めることになった。
直接のきっかけは、新規採用職員向けの訓示で「野菜を売ったり、牛の世話をしたりとかと違って、皆さまは頭脳、知性が高い人たち」などと述べ、職業差別だと批判が相次いだことだ。
辞職願を出した4月10日の会見では、JR東海がリニアの2027年開業を断念したことに触れ「これで僕の役割は終わった」などと誇らしげに語った。
5月9日には、後任を決めるための5月26日投開票の静岡県知事選挙が告示され、6人の候補者による争いに。すでに選挙戦に入っているので、具体的な候補者名や見通しなどは書くことができないが、新しく選ばれる知事次第では、リニアが大きく前進することになるだろう。
これまで何度か書いてきているが、リニア新駅ができる予定の都市には人の流れが集まり、不動産投資にチャンスが増えることになる。
その一つが、たとえば、神奈川県駅。現在のJR橋本駅南にある相模原市緑区のエリアに作られることになっている。
同駅にはJR横浜線とJR相模線、京王相模原線が乗り入れ、交通の結節点となっている。すでに駅周辺には「アリオ」「イオン」といった商業施設が集まるなど、にぎわいをみせている。
リニアが通れば、橋本駅と東京都ターミナル駅(品川)とは10分程度で結ばれることになる。現在、品川までには乗り換えなどして1時間程度かかるため、大幅な時間短縮になる。東京で働く人にとって、十分すぎるほどの通勤圏となる。
また、品川~名古屋は40分で結ばれるようになり、橋本から中京、関西へも非常に短い時間で行けるようになる。橋本駅周辺の利便性が大いに高まり、人が集まって、たいへんにぎわうようにうなるだろう。
新幹線の開通で「にぎわう街」へと劇的に変貌を遂げた新横浜に次ぐ「第2の新横浜」に育つのではとの期待は大きい。
ただ、27年開業を目指す品川~名古屋間の工事は進むことが期待できるものの、37年開業を目指す名古屋以西の名古屋~大阪間は、まだ工事のめどすらたっていない。
ルートは奈良市付近を通る「奈良ルート」が有力とされるが詳細は決まっていない。観光への好影響を期待する京都府・市がリニア駅誘致を目指し、「奈良ルート」に反発するなど、情勢に不透明な部分もある。
まだまだ先行きを見通せないリニア事業。今後どのように事態が進み、人の流れが変わるのか注目したい。
川勝氏は環境への悪影響を理由に県内のリニア工事に反対してきた経緯があり、辞任によって工事の「障害」がなくなるのではないかというわけだ。
新駅の開設予定地周辺には人の流れが集まる可能性があり、不動産投資家も経営戦略にいかすべくアンテナをはりめぐらせたい。
当初の計画では、リニアは27年の東京(品川)~名古屋間の開業を目指していた。設置される新駅は次の6駅だ。
①「東京都ターミナル駅(品川駅地下)」
②「神奈川県駅(相模原市橋本駅付近)」
③「山梨県駅(甲府市大津町付近)」
④「長野県駅(飯田市上郷飯沼付近)
⑤「岐阜県駅(中津川市千旦林付近)」
⑥「名古屋市ターミナル駅(名古屋駅地下)」
これらの新駅が開設されれば、周辺地域では再開発が進むことになり、大きな経済効果が期待できる。それぞれの地元の早期開業に対する期待は高かった。
しかし、リニアの建設を進めてきたJR東海は今年4月、リニアの27年の開業を断念すると発表した。その理由は、静岡県の川勝知事が静岡工区での工事に反対し、全体の建設工事が予定通りに進まなくなったからだ。
川勝氏は、リニアの静岡県内での着工に強硬に反対してきた。具体的には、山梨県~長野県の南アルプストンネル(全長25キロ)の一部である静岡工区(8.9キロ)への着工だ。
この工事によって大井川の流量が減ったり生態系に影響が出たりするなど環境面の懸念があると指摘し、着工を認めてこなかった。山梨県と長野県ではすでに工事が始まっているが、静岡県では不可能であるため、リニアの開業事態が危ぶまれる事態になっていた。
だが、太平洋沿いを走る東海道新幹線が南海トラフ地震による津波被害などで使えなくなれば、東西を結ぶ日本の主要なルートが壊滅し、日本経済が大打撃を受ける。代替の交通網としてもリニアの開業は重要だ。
こうした考えから国も仲介に乗り出し、国土交通省の有識者会議は21年、JR東海の対策でトンネル工事による河川の流量への影響は抑えられとする報告書を策定した.
しかし、それでも川勝氏は着工反対を貫き、3月29日、ついにJR東海は、それまで掲げてた「27年の開業」をあきらめることを表明した。
そもそも、JR東海が最大限の対策を講じてきたのに、なぜここまで川勝氏が強硬に反対してきたのか、関係者はみないちように首をひねってきた。
経済学者の川勝氏はもともと早大の教授などをつとめてきた。関係者によると、女子学生からの人気が高く、授業では席の前列を女子学生らが占めるほどだったという。
静岡文化芸術大の学長をへて静岡県知事になったわけだが、リニアの工事に強硬に反対し続けた根底には、リニアが静岡県内のどこにも止まらず、素通りするだけだったことへの不満と反発があったとみる向きもある。
振り返ると、前任の石川嘉延知事も東海道新幹線の「のぞみ」が静岡県内に止まらならいことが不満で、JR東海との不仲が指摘されたことがある。
いずれにしろ、リニアをめぐる情勢を変える可能性があるのは、川勝氏の退任だ。退任は5月9日付。4期目の任期を1年以上残して辞めることになった。
直接のきっかけは、新規採用職員向けの訓示で「野菜を売ったり、牛の世話をしたりとかと違って、皆さまは頭脳、知性が高い人たち」などと述べ、職業差別だと批判が相次いだことだ。
辞職願を出した4月10日の会見では、JR東海がリニアの2027年開業を断念したことに触れ「これで僕の役割は終わった」などと誇らしげに語った。
5月9日には、後任を決めるための5月26日投開票の静岡県知事選挙が告示され、6人の候補者による争いに。すでに選挙戦に入っているので、具体的な候補者名や見通しなどは書くことができないが、新しく選ばれる知事次第では、リニアが大きく前進することになるだろう。
これまで何度か書いてきているが、リニア新駅ができる予定の都市には人の流れが集まり、不動産投資にチャンスが増えることになる。
その一つが、たとえば、神奈川県駅。現在のJR橋本駅南にある相模原市緑区のエリアに作られることになっている。
同駅にはJR横浜線とJR相模線、京王相模原線が乗り入れ、交通の結節点となっている。すでに駅周辺には「アリオ」「イオン」といった商業施設が集まるなど、にぎわいをみせている。
リニアが通れば、橋本駅と東京都ターミナル駅(品川)とは10分程度で結ばれることになる。現在、品川までには乗り換えなどして1時間程度かかるため、大幅な時間短縮になる。東京で働く人にとって、十分すぎるほどの通勤圏となる。
また、品川~名古屋は40分で結ばれるようになり、橋本から中京、関西へも非常に短い時間で行けるようになる。橋本駅周辺の利便性が大いに高まり、人が集まって、たいへんにぎわうようにうなるだろう。
新幹線の開通で「にぎわう街」へと劇的に変貌を遂げた新横浜に次ぐ「第2の新横浜」に育つのではとの期待は大きい。
ただ、27年開業を目指す品川~名古屋間の工事は進むことが期待できるものの、37年開業を目指す名古屋以西の名古屋~大阪間は、まだ工事のめどすらたっていない。
ルートは奈良市付近を通る「奈良ルート」が有力とされるが詳細は決まっていない。観光への好影響を期待する京都府・市がリニア駅誘致を目指し、「奈良ルート」に反発するなど、情勢に不透明な部分もある。
まだまだ先行きを見通せないリニア事業。今後どのように事態が進み、人の流れが変わるのか注目したい。